和紙の里の小学校2013年10月01日 00時00分00秒

岡本小学校新校舎竣工式 創立140周年記念式典

すでに校舎は完成、若干工事が残っているものの7月から授業も始まっている

厳かに竣工式が進行

終了を知らせる鐘

あらためてその由来を知る

創立140周年記念式典は八ツ杉太鼓で開幕
迫力ある演奏

式の合間に新校舎見学

書写室、紙と触れ合う時間

今しかない風景、一人一人の見方が違って面白い絵

式典会場には歴代6年生の卒業制作、絵漉きと呼ばれる手漉き和紙の大作

それぞれの思い出が漉きこまれている。
長女幼稚園入学以来このお手伝いにほとんどかかわっているので思い入れの深い紙たち

続いて記念祝賀会
建替え直前の旧校舎のスライドから始まった。会場が静まる

席表は手漉きの名詞に手刷りの文様、箸袋、ランチョンマット、記念品入れの手提げ袋まで和紙、この席表立ても漉き道具職人の手によるもの
祝宴は手の温度が伝わるような和やかな会場に

これも有志による紙神楽、アトラクションも紙尽くし

地元のバンド演奏は歴代PTA会長のメンバーが2人
まさに手作り、素晴らしい運営、実行委員に拍手

子供たちとともに郷土愛、紙への思いにあふれた和紙の里の小学校

                  かみの里

                     涌きてやまざる谷水の清き流れのそのごとく

紙の温故知新 呉竹紙2013年10月02日 17時30分42秒

竹の準備ができてからいろいろあってようやく本日漉き始めた呉竹紙

4ツ葉は縁起が悪いということで2枚と3枚の葉にそろえる


表の紙を漉き、竹の葉を置く。その間に地紙を漉くという共同作業
昔は5人がかりで1日に100枚以上漉いたこともある

今は40枚そこそこ朝は昨日の波楮紙の残りを漉いていたし、3人だから仕方がない。

でも効率は今のほうがいいようだ

私は今日も試作
布と紙をあわせたもの、化繊のレースだから仕上がりに不安があるが

日中の雑用がさらに増え、なかなか仕事がはかどらないので残りはまた明日

呉竹紙 加藤与商店発行銀嶺 これも50年以上のロングセラー




伝統と変化2013年10月03日 17時38分34秒

圧搾が終わり、板に貼りつける前の状態、湿紙(しとがみ)という

きれいな竹の葉
明日出来上がり、心配された竹の葉だったが思った以上に良い柄になった

50年以上続く襖紙を漉く傍ら、レースの布に漉き入れる試作

レース自体にしっかりとした柄が入っているので、方法は二つ

レース柄を生かし、穏やかに水玉だけを入れてゆく
どうしてもそれだけでは満足できない手

ただの落水だけなら誰でもできる
そこに何かを加えることが自分の仕事

水滴の場所ひとつでレースの存在感が増す

ラメの入っているレースと紙がお互いを生かしあうように

色と色が反応しあうように

レースの柄を生かしつつ

近づいて見るとそこには紙の存在感

布の柄と

細かい柄のレースに大きいモチーフを

機械的な模様と力強い水の力の柄

落水の方法をちょっと変えてみる

厚みの変化、水滴のような紙の流れのような
どのように使ってもらえるか、いろんな場面を想像する

残念ながら今の時代には新しいものを提案するには実際に使ってみた場面を用意しないとわかってもらえないことが多い。

細かい施主の注文に余裕のない納期、大変なのはわかるけど想像力のない人との仕事は疲れるね

デパートのディスプレー、カフェのパーティーション…もっとどこかに使ってもらえる場所が待ってるはず

試作であっても自分の作品

                    心のかみ

                                   伝えるために漉く


新しい伝統2013年10月04日 20時45分10秒

伝統柄、呉竹紙が乾いてきた

竹の葉もこのように並べると立派なデザイン

どんな絵も本物にはかなわない
一年中青い竹の葉を生かした襖紙は季節を選ばない。昔の人の見る目に感心

波楮落水、私がこの工場に入ってからの紙もすでに20年以上作り続けている
楮のシルエットに気を使った紙なのでちょっとしたこだわりがすべて、

あれこれ模倣は出てきてオリジナルの良さが伝えにくくなっているがしっかり作れば結果はついてくる。
気持ちがそのまま出てくる紙、気持ちが落ちるとそのまま勢いのない波になる

                    かみの顔

                                  心して向き合うこと

伝統と未来2013年10月05日 19時18分19秒


いよいよ秋祭りの準備、本日朝から大滝神社境内の草取り

長寿会、今となっては大滝で一番大きい団体、足が悪くて動けなくても人数でカバー
明日は大滝区の議員と駕輿丁番(かやちょうばん)と呼ばれる祭り当番の組で準備

いよいよ秋祭りまで1週間

長寿会の皆さんにねぎらいの言葉をかけた後、工場に戻り残り仕事の仕上げ

そして体育館に
元気な子供たち、今日は6年生にとって数少ない大きな大会、強豪を2試合連続のフルセットで破り、2日目の1位リーグに進んでくれた。

チーム内で大きな声で励ましあった試合後半、大事なものを学んでくれたような気がする

守り伝えるもの、未来に輝く子供たち、千年以上の歴史の隔たりは自分の頭を動かす力となりそうだ

心して目の前の仕事に向かう

                     かみの力

        明日も神社に、うまく時間が取れたら子供たちの様子も見てみたいものだね