受け継がれる手2015年10月02日 00時00分00秒


月参りの日、父の祖母の掛け軸が出てきた

「お前は見たことがないだろう」ということで床の間に
写真かと思うほどしっかりとした写実の肖像画。なぜか2枚の座布団

当時の長田家は「車力」という仕事、家を守るのは女の人が中心で紙を漉いていた。

大所帯で厳しいこともあっただろう。座布団の大きさと比較するとかなり小柄で物静かながらその表情はきりっとした強さを感じる
よく見ると不自然なくらい男性的な大きな手、紙の工場でよく見る分厚い手のひら太い指

この当時はまだ奉書も漉いていた。しっかりした紙を漉いておられたのだろう

今日も残業、HIRYU-UZU
細い管を使って絞り出すので握力が必要

小判ながらこの数をこなすのはなかなか大変
午後10時ようやく終了、酷使に耐える手に感謝

先祖から受け継いだ手
本来の和紙を漉くことは少なく、飛龍などいろんな仕事をこなしているとはいえ紙漉きの手にはまだまだだ

                   かみの手

                                    感謝と誇り