かみの道 ― 2015年03月27日 00時00分00秒
本日いよいよ越前和紙に保存会が設立された
越前生漉き鳥の子紙保存会(えちぜんきずきとりのこほぞんかい)、未晒し雁皮による厚手の紙、その色が卵の白さである鳥の子色であることから名付けられた紙、昔は紙の王と呼ばれ越前奉書と並ぶ越前を代表する紙だった。
私はこの紙を漉いたことがないし、その現場を見たこともない。ただそれに準じた紙を漉いていること、以前は漉いていた工場なのでそれを再現することは可能ということで準会員として参加することになった。
先週、輸入雁皮を木灰で煮てみたがその難しさがどこにあるかはなんとなく感じている。
とにかく漉いては見たがまだその結果は見ていない。かみの道はまだまだこれから
結果的には需要がないことで漉くことが無くなった生漉き鳥の子紙、それはそれ
今日も今を生きるための紙を漉く
見る角度で表情が変わる波楮落水
波打たせた楮を疎密の変化を付け、さらに落水によるグラデーションを加えた紙
上部は徐々に薄くした仕上げ
近くで見るとこの通り立体的
しかし後ろから光を当てると一変
波楮の影とともに落水が主張し始める
波のしなり方、間隔のこだわりは隅々にまで気を配って
仕事を終え、夕方からは次女の旅立ちの準備、和紙の里に育った次女は大都会神戸へ
大きな布団袋、こまごまとした生活用品、そして大きな夢をかばんに詰めて…
それはまだ見ぬ紙の世界に踏み出した私も同じ
かみの道
不安な気持ちはここに置き前を向け
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