やっぱり工場がいいね2010年09月01日 12時36分43秒


外出許可を得て工場のみんなの力を借りながら来週納める紙を漉く。


点滴の針刺したまま(今は柔らかい針なので多少は動かしても大丈夫)、念のため濡れないようにサランラップで巻いて最後の仕上げ。
見てると痛々しいがしょうがない。でも工場のみんなの顔を見ると元気が出る。襖の注文は相変わらずだが、ここにいるとどうにかできる気がしてくる。病院の中ではあまり動けなくてネガティブな考えに取り付かれてくるから「考えない練習」なんて本に納得したりするんだな。やっぱり私は動かないと死んじゃうマグロだ。さて午後の来客をお迎えしたらまた病院に・・・

竹炭漉き込み2010年09月03日 14時07分54秒

炭を紙に漉き入れること。今ではなんでもないようなことだが15年以上前に発表したときは「なぜ?炭?」、説明するのに大変でした。もう今ではそんな必要もないですね。当時のデザインコンテストで炭を紙に入れ壁掛けに仕立てて出品したら「炭と紙?それで?」とデザインの専門家さえ理解されてなかったようでした。数年後にその方が(お忙しい方でしたから忘れていらっしゃったんでしょうが)私たちに「炭なんか紙に入れたら面白いじゃない。」と貴重なアドバイスを頂いて苦笑したことを思い出します。
乾くとまた雰囲気が変わりますから、あえて全体像はあとのお楽しみに
いつまでも暑いね今年は。では涼しい退屈な病院へ

入院生活画像2010年09月03日 14時43分53秒


この狭い空間にもう2週間・・・

本読んだり、いろいろ描いたり、メールしてみたり、昼のテレビはちょっと無理

朝夕とぼんやり外を眺めなんちゃって座禅を組むのも日課に。ここに入院してからずっと晴れ、毎日青い空。

点滴数えて座禅は無理。目線が上に向き過ぎて姿勢が悪くなる。ぼんやり遠くの山を見つめることにした。
人間、なかなか「無」にはなれないね。


紙の耳2010年09月06日 08時48分57秒


耳といっても漉いた紙の端のこと。パンの耳と同じ
柿渋塗りの変わりバージョン
いろんな原料を使って表情を出す。
下は銀砂子(黒)、中は柿渋塗り(赤)、上は竹皮入り

襖も積み上げられて出番を待っている。
これで200枚くらいは見えているかな。でも普通は裁断されてしまい目にするのは限られた人だけ。ましてやこの数を見てるのは工場にいる私たちだけ・・・

まだ裁断せずに出来上がったそのままの紙の耳。たいていは切ったり貼ったりで必要な分を使えばこの部分を目にすることはなくなってしまう。これまでいろんな方がこの魅力に注目し、様々な手法で作品に仕上げたりしてきた。書く、貼る材料としての紙だけでなく、紙自体がひとつのモノとして意識されるとき、この耳の存在に気付くのだろうか。手の力、自然の力、そして伝える耳。

台風一過2010年09月09日 10時13分23秒

福井県初上陸した台風であちこちで大きな被害が出ているようだが、幸いこちらは大した風も吹かず、水不足気味のところに恵みの雨程度。
入院して初めての曇り空と雨の景色、青い空ばかりだったからたまには変わらないと。それも毎日だとまたまた気が滅入るのだろうが…勝手なものだ。
今週から点滴治療に加えてSGBと言う麻酔治療を始めた。首筋に注射する治療でさすがにちょっと手に汗かいた。終わってみるとまぶたが開けにくかったり、ふらついたりと、麻酔が効いていると実感。日常には有り得ない不思議な感覚を楽しんだり、麻酔医にあの浜崎あゆみも受けたはずとなんだか自慢話みたいな説明にちょっとニンマリしたり、呑気な入院患者。