FUJIN & RAIJIN2021年05月06日 20時52分55秒

1年ぶりのブログ更新、もう忘れられているだろうが自分のために

3年ぶりの FUJIN & RAIJIN  蚊帳生地artworkにて
濡れている状態では半透明、特に薄い部分もあるので仕上がるまではどうなるかわからない

ほぼ思った通りに仕上がった。あとはこの下に30センチほどを足して巨大な掛け軸風に

実際の風神雷神図では最小限の筆使いでこの力強さと風格を表現しているが、紙による厚薄をつけるのが自分のやり方

余白の美をあえて崩し、風と雷鳴を飛龍技術や落水を使って表現した

下に足す部分にはなかなか苦労し結局はこのような紋様に厚薄を加えてつなげることにした
ここまでで貼り継ぎは一旦中断、連休明けに仕上げる

予定されていた和紙組合の掘出し市は市内に感染者が出て直前で中止
工場内での販売会にて漉き枠のまま展示

大きく告知もできず、来場者も県内者に限定。例年のような賑やかさは無く静かにゆったり
せめて束の間でも和紙の里を楽しんでいただこうと準備したが一番楽しんでいたのは自分でした。

まさかこの状態が1年以上続くとは…嘆くより前を

できることはそこにある

もうひとつのみどりの日2021年05月07日 22時35分34秒


連休明けの仕事、工場のトラブルでちょっと時間が
虚空蔵菩薩神宮堂の山肌にフキを見つけたと母 無理して坂道で転んでもとおつきあい

フキの最盛期はすでに過ぎてはいるがここにはまだ残っていた
仕事合間の30分、緑の中を歩き回りまあまあの収穫

ついでに撮ったヨモギも並べ満足そう、さっそく孫たちのために準備
孫からのリクエストと白状した母、煮豆など田舎の味を送ると張り切る

越前生漉き鳥の子保存会の研修で育てている雁皮が気になり庭に
昨年は強い雨に打たれ土ごと流されて全滅、今年もここまで全く気配すらもなかったが 
小さな芽が出ていた

厳しい仕事、伝統ある祭りでさえ最小限の神事のみ…心からの笑顔も消えていたが

少し遅れたみどりの日 ささやかなプレゼントがもうひとつ



月例祭とお焚き上げ2021年05月13日 22時16分54秒


毎月12日は大瀧神社月例祭(つきなみさい) 
コロナ禍で中止された湯立て神事で行われるはずだった祈願札のお焚き上げも催行される
夕方から大瀧権現保存会会員が境内にて準備

祝詞が響く境内

いろんな想いを込めて焚き上げられる祈願札
お焚き上げを促すように急に山風が、さらに燃え上がる炎

炎が弱まると同時に風も止み神事は終了 静けさの戻った境内から本殿に
いつもよりちょっとだけ参加者の多い月例祭
昨年に引き続き人も少なく寂しい祭りだったが、できる神事はやり終えここでひと区切り

お神酒は今回もやや味気ない紙コップだったが来年こそはさらに大きな感謝の報告ができる祭となるように祈りを込めて

空きっ腹でいただいたお神酒でちょっとほろ酔い
ちょっと遅めの夕食で待っていたのは初めて食べるコシアブラの胡麻和え
天ぷらより格段に美味い 私はこちらの方が好き

感染者はまだまだ増加と報道、平穏な日は遠いようだ

淡々と過ごすことができる幸せ

護られているからこそ

護る、つなぐ2021年05月15日 21時44分41秒


種から育てた雁皮、5年目にしてようやく収穫できるまでに

南向きに切り口を向けて刈り取り、そのまま皮を剥ぎ取る

青みがかった皮には独特の美しい光沢、これが見られるのはこの時だけ
これを使うのは再来年以降、ある程度の量が揃って会員の研修に使えるようになってからとなる。それまでにこの雁皮紙を残すためしっかり漉けるようにならないと

帰り道、昨年雷に打たれた大瀧神社境内入り口の大杉を久しぶりに見る。
上から下に切り裂いた雷の傷跡は痛々しいがまだまだ元気に芽吹いているように見えた。

本来なら切り倒すしかないと言われた大杉はもう少し私達を見守ってくれそうだ

つなぐために護るために

山の宝2021年05月24日 21時20分09秒

日曜日早朝、雨模様の中、完全防備のスタイルで大人たちはバスに乗る

今日は越前生漉き鳥の子保存会の研修、私は3年ぶりの雁皮採集

原料としてはほとんど枯渇している雁皮、保存会での研修で使うには自分たちで収穫しなければならない。でもそれこそがものつくりの原点だと思う。
ほぼ雑草で覆われ道案内の方について行かないと迷子になりそうな道を数十分、いつもの広場に到着。ここからさらに険しい山の中を採集に歩き回る

植樹杉などのない手付かずの山はいわゆる雑木ばかり、今となっては珍しい森の中
ウサギやキジ、いろんな鳥の声、所々に猪の水浴び場…山は楽しいね

これが目指す雁皮、同じような雑木林の中見つけるのは容易ではない。この時期になると咲く小さな花と葉の形、並び方が目印

今年は不作、というより前回収穫してから次の苗が育っていないようだ。
研修の一環として自宅で育てている雁皮の苗を見ているので、このように小さくて花が無くてもこれが雁皮ということがわかるようになった

それでもやっと見つけた雁皮、収穫の喜びは口元に表れる

雁皮は収穫してその場で皮を剥かなくてはならない。楮のように後で蒸して皮をハグということができないので、山の中での作業となる。
畑にある雁皮と違って野生的、皮を剥くのもひと苦労。あっという間に時間が過ぎ、不作の雁皮を抱えての帰り道、それまで見つけられなかった雁皮を次々と収穫、結局そこそこの量となってホッと一息

雑木ばかりの山は子供の頃の記憶が、枝を掴み倒木を跨ぎながらの登り降りは息が切れる前にワクワクがとまらない。明日は筋肉痛かな

山から降りて地区の公民館の駐車場で昼食、地べたで食べたおにぎりは格別でした

雨上がりからの大人の遠足

帰る頃には快晴に