残すべき仕事とは2011年07月25日 21時00分24秒

今週は1年ぶりの幅広、いわゆる特別寸法の紙を漉く。売り上げが全盛期に比べ1割前後と壊滅的に落ちている中でこの特別寸法の紙はまだこのように注文が来る。最盛期ですら年に数度使う程度のこの道具の維持、そしてこれを漉く職人(最低3人のベテランがそろわないとしっかりした紙はできない)、普段の倍は必要となるネリ、何もここから引くことはできない。
前日まで残っていた水もすべて入れ替え、地下から汲み上げたばかりの冷たいものを用意、そしてひときわ大きな道具が漉き手を待つ。
このために何かと多忙な休日だった前日夕方から早朝にかけての準備、久しぶりの賑わいがその大変さを忘れさせてくれる。

その横では新しい試みの紙
色んな準備、電話の応対、来客と落ち着かない中でも人のいる工場が本来の姿。やはり私は職人、独りよがりのアーティスト気取りではいけないな。

数年前に「いろんな作品を作られている紙の工房ですね」と聞かれ「違います!製紙所です。」と答えたことを思い出す。電話でも間違えて製作所と呼ばれたりすると製紙所ですが何か?とついつい大人げなくなってしまう。経営者としては失格かな。でもそれが自分の生き方。