ECHIZEN JAPAN2011年09月01日 08時19分57秒

私の奥さんの実家は旧武生市で刃物問屋を営んでいる。越前打ち刃物は紙・漆などと肩を並べる工芸王国福井の代表。その名も
                 ECHIZEN JAPAN

桐箱に入った立派な包丁

ふたを開ければ包丁が透けて見えるような穴の開いた極薄の紙。

透けて見えるほどの紙って実は結構難しい。

包丁の柄と一体化したデザイン。隅々まで洗練されたフォルム

鍛造された証の紋様の上には ECHIZEN JAPAN
小売価格 30,000円(税別)

下地が見えるほどの紙は1枚ずつ漉き上げる特注品、包丁の切れ味とは関係はないが物としての価値を支える役目を果たす。かみの仕事。

海外展示会用~KARAKUSA2011年09月02日 20時25分30秒


さあ、これが海外展示会用の最後の紙、ブースの中にあるタワーの上部に使われるもの、長さが5メートルを超えるため継ぎ合せることになる。

唐草模様、大きい柄と細かい柄を重ねあわせ、透けて見えるように地紙のないところもある。

これが最初の紙とつながる。手前の唐草部分で継ぎ合せる。

うまくつながるように、紙が支えあってばらばらにならないように、デザインだけではしっかりしたものにはならない。
美的な感覚と構造を兼ね備えたデザイン。心配なのは台風による気温低下で乾燥が進まなさそうなこと。またまた扇風機登場、遅くまで風を当てないと。今夜も工場の夜回りが必要だな。


海外展示用~乾燥作業2011年09月04日 07時48分40秒

外は台風通過中、でも雨風はそれほどでもなく、ちょっと風が強いかなって程度。工場は休みで乾燥室は使えず、気温も今までの猛暑とはいかないのでひたすら室内で扇風機。

それでも夜十時を回るころにはどうにか乾いてきた。

こちらはほぼ乾燥終了。

いい感じに仕上がった。

ところが・・・
紙は問題なく仕上がったのでデジカメで撮影、最初の2・3枚はうまく撮れたのだが、それからあとはどうしてもこんな色でしか撮影できない。オートで撮っていて場所も変わらないのに・・・
あまり遅くまで工場のなかうろうろしたので何かのご機嫌を損ねたのかな。

家に戻って同じように撮ってみると全く異常なし・・・100年工場の不思議


KARAKUSAアップ2011年09月07日 19時46分15秒


海外展示の紙をリメイク、展示会用の紙はその場で廃棄されることが多いため、自分の記録として残しておこう。本日取材に来られたNHK福井放送局の方はこれを撮影されていた。


近くで見るとこんなにごつごつとしている。

後ろから見るとこのように見える。

これもアップで撮影

離れてみるときと近くで見るときの印象がかなり違う。紙は特にその傾向が強いと思う。

今日の工場アート
ネリという紙を漉くための助剤(粘液)であるトロロアオイを縛っていたわら縄などが板の上に

こちらから見るとこの手袋が主役。
何の意識もなく並べただけのものたち。ひとつひとつに物語があるようだ。

秋の日差しはさわやかなスポットライト、みんなが主役になれる。

海外行~NY2011年09月08日 17時36分34秒


今度はNYよりオーダーされた紙、通算3回目、格子・落水・飛龍・流雲の4つの技法を一枚の紙に漉き上げた贅沢な紙。
それでも自然食で統一し、無理に色を使ってないのでどこに置いても違和感がないと思う。

つなぎ部分をどれだけ自然にできるかが工夫のしどころ。
後は乾燥を待つだけ。

寒いほどの朝晩になったがまだ9月初め、日中はまだまだ暑い。でも空はもう秋の雲、ザクロも大きくなってきた。
来週は久しぶりの東京出張、それまでに片付けないといけない仕事が山積み。