ここに来て冬が戻ってきたようだ。寒い日が続く。
今日も楮を叩く
棒の重さを利用しながら一定の速度でゆっくりと
たーんたーんと響く音、紙漉き唄のリズムと同じ
5分もやれば凍えた体も温まる。天然紙の顔もほころんで
温まったころには腹がすく。
火鉢の火であぶった餅や芋 これにかなう冬のごちそうはない
蔵から出てきた昭和30年代の古い襖紙を御朱印帖に仕立ててみた
今となってはなかなかモダンに見えてくる
戦後の復興期、そしてまだ日本人の心が残っていた高度成長期、人の元気さが紙に現れているようだ
もう一度ここに戻ってみなければ 今日も楮の詩が聞こえてくる
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