冬の色 無垢な色2016年01月19日 23時34分41秒


冬の色 白い雪

白から漏れる光

光を通すことで気持ちを温める白

PLANT 実際には自然色の作品 これは白い作品ではないけれど
白の世界とは無垢であること

そういう意味では彩りを持たない生成り色も白じゃない?

ギャラリーのオーナーの言葉が心に響く

極厚の白いモンステラ、ごつごつしていても硬さを感じない

焦げても美味しい白

外はまさに白の世界
今夜は積もりそうだ

             しろいかみ 無垢な気持ち


天然紙2016 始動2016年01月20日 21時50分36秒


今朝は今季初めての積雪、朝から除雪で暖まる
暖冬からいきなりの冬将軍、身体には堪えてもネリには最適なこの寒さを待っていた

今年仕入れた土佐楮

この結び目ひとつに日本人の心を感じる

広葉樹のみの木灰は友人の薪ストーブオーナーのご厚意
炎となって部屋を温めた木は灰になり紙造りの手助け、

そして人の心を温めてくれる天然紙へとつないでくれる

この紙は本来の仕事とは別物なので特別な道具は何もない

手でできることは手で、上澄みができるまで待っての繰り返し
普段の仕事をこなしつつ、一度にはできないので少しずつ

出番を待つ大釜
本来の紙の漉き方、無理をせずただ一心に淡々と手を動かすこと

                  冬のかみ

                              良い紙ができますように


日本の手仕事2016年01月21日 23時37分02秒


早朝6時30分 この間まで真っ暗だった朝も少しずつ明るくなってきた

思ったほど雪は積もらず、今日は雪と格闘することはなさそう

午後からいよいよ楮を煮る
その前に楮をほぐす作業が待っている

おそらく楮を干すときに便利なようにと同じ細い楮で編まれている。
こんな手間が必要かということではない。丹精込めて育てる人の気持ちがここに表れている

生産者も激減して次にこの楮が手に入るかは未定、だからこそしっかり時代に伝える責任がある

伝えるために心を込めて煮る

一年ぶりのこの匂いが好きだ。今年もよろしくお願いします
一定ではない薪ストーブの灰、毎回試行錯誤ではあるが去年よりは段取りよく作業が進む。

なんとかうまく煮えそう


本日 越前和紙を代表する方の訃報

まさに紙に生きた人生を背中で語る方だった

合掌

飛龍と色2016年01月22日 00時00分00秒


飛龍のベースに色でグラデーションを入れてみる

鮮やかな色で白い飛龍も新鮮に見える


三椏の光沢で丸い形がようやく見える紙、表に直接光が当たるこの状態ではうっすらとしたシルエットだけが確認できるが

後ろから光を当てたとたんに表情は一変する
色を排した生成りの紙、影にも色があることがわかる

紙は光の当て方、見方でいろんな顔を見せる

漉いた状態の紙は人とつながることによっていろんな可能性を秘めている
                 かみの顔
                                    心を伝える


贈る言葉2016年01月23日 20時06分09秒


今日も朝から仕上げ作業
ここに入る朝日、ほんの1時間のスポットライト

昨日に上がった天然紙、水に晒してアクを抜く
柔らかく煮上がったようだ

黒い表皮などを溶かしてしまう強力な苛性ソーダなどで煮た時と比べ木灰煮でのアクの色はかなり薄い。アク抜きも3回くらいまでできれいになる
塵を除去するのはかなり大変、本来の奉書紙ではチリ取りが一番手間と時間がかかる

手間をかけるほど愛おしくなる、それは職人の心意気であり人の心
しっかりとした紙にすること、それはこの思いを使う人に伝えること

帰省していたにぎやか大将の長女を駅に、そして神戸に住む次女の引っ越しの準備と誕生日のお祝いを買いに
厳しい仕事のひと段落、静かになった我が家

娘二人は社会人と大学生 それぞれにやれることやらなくてはならないことが増えてきた

それでもまず目の前のことを真摯にいつでも精一杯の気持ちで

                 かみの教え

                              伝えること、贈る言葉