三田病院作品メンテナンス2017年02月06日 00時00分00秒


アメリカンクラブインターナショナルバザー以来3か月ぶりの東京出張

まずは今日から始まる小津和紙 越前和紙展の準備に

会場に到着したころには展示終了で拍子抜け
昨年は相当時間がかかったらしいが
展示作品も限られすっきりした会場設営、大判の紙を漉く越前の特徴を前面に出した展覧会

早く会場を出ることができたので近所の得意先に

EICOBAG mono がきれいに展示されている

最近では外国のお客様も多い日本橋、評判がいいとのスタッフの方の声に感謝

さて今回の目的はここの作品のメンテナンス

乾燥して病院のロビー内、自動扉の開閉時に入る風などで傷んだようだ

よく見るとあちこちかなり破れがあり、丁寧にできるだけの補修がしてあった
ここのスタッフがこの作品を大事に思っていただいていることを感じられ感謝の作業

午後4時過ぎから6時過ぎ、あたりはすでに真っ暗になったころようやくひと段落
貼り合わせたところをクリップで止めて明日もう一度補修することにした

この作品は夜輝く でも残念ながら夜の訪問者はまばら、もしここに来ていても急患などこれを見ている余裕なんてないだろうね
でも補修中にはいろんな方が声をかけてくれた

私が作業していることで何年も通ってきて初めて気づいてくれた方もいらっしゃったようだ

自分や家族など大切な人の身体を気にしていてはなかなかゆっくり見る余裕もないだろうね

これからも見てやってください

慰労会は友人が教えてくれた新しく開店したレストラン、ホテルまでも歩いて帰れる場所
酔っぱらって写真無いのでwebから

美味しい料理とビールとワイン、そこに長女も加わって楽しい宴で酔っぱらいました

外へ出れば東京タワー、福井弁丸出しにはちょっと迷惑な東麻布
明日も仕事の長女を駅まで 道案内は彼女なので送ってもらったという方が正しい

気持ち良い疲れ、厳しい仕事も今夜は忘れることにしよう

                   かみの夜
                                                                                                      TOKYO night

三田病院から獺祭銀座店2017年02月07日 00時00分00秒


昨日の作業の確認と補強に

まだ気になるところがないことはないが用意した紙が無くなったところで終了

多少のゆがみは残るものの、ほぼ元の様子に戻った
午前10時を回って、来院者が増えてきたところで撤収

そのまま南青山まで 福時の告知とお願いに そしてカウンターにDMを置かせてもらう


同じ場所にある南青山291 館長さんにもご挨拶
開店直後から一人二人とお客様がお土産探し、私も得意先に御使い物を

ちょうど手例で紹介された「せいこ蟹のグラタン」

この時期の東京はほぼ快晴だが乾燥した空気が冷たい
ご挨拶を終えてそろそろ帰宅時間 今回は紙の先輩のお通夜のため早めに帰ることにした

でもその前にここだけは寄っておこうと 今話題の「獺祭銀座店」

洗練された店構えにわが社の紙が
カウンター下には磨き込んだ酒米を漉き入れた紙 照明が入れられるとは思わなかったな

壁全面には雲肌楮紙 きれいな雲肌がでている 
小判で漉いて貼り継いでいるにもかかわらず重ね貼りがほとんど気にならない

これはこれから可能性がありそうだ

こんな時間に帰るのは久しぶり、駅のホームも空いていた 
真っ白な富士山がお見送り

お土産に銀座で買ったチョコ、いろいろ荷物があって酒を買う気になれなかったので
次回こそは主役を買おう

試作と思索2017年02月08日 00時00分00秒


いただいたイメージ図からの試作
指示そのままだと不具合のあることもある。そんなときはイメージを壊さない程度に違う表現を提案

明日納期の紙、そのまま乾燥室だと乾かないので風の力を使う
冬場は乾燥室の温度も下がるので余熱ではなかなか乾かない

理由はわからないが昨年の秋口から全体の売り上げがかなり落ちてきている。

対策を考えようにも身体は一つ、とにかく今目の前の仕事を完全にこなすことでしか自分の答えはない

世の中で成功している方たちの仕事、それだけでいいのか
もっと身近なものに目を向けてみないといけないのかもしれない

                   かみの道

                              試作の日々は思索の毎日

楮の詩2017年02月09日 00時00分00秒


ここに来て冬が戻ってきたようだ。寒い日が続く。

今日も楮を叩く
棒の重さを利用しながら一定の速度でゆっくりと

たーんたーんと響く音、紙漉き唄のリズムと同じ
5分もやれば凍えた体も温まる。天然紙の顔もほころんで

温まったころには腹がすく。
火鉢の火であぶった餅や芋 これにかなう冬のごちそうはない

蔵から出てきた昭和30年代の古い襖紙を御朱印帖に仕立ててみた 
今となってはなかなかモダンに見えてくる

戦後の復興期、そしてまだ日本人の心が残っていた高度成長期、人の元気さが紙に現れているようだ

もう一度ここに戻ってみなければ 今日も楮の詩が聞こえてくる

Blue Sensation2017年02月10日 00時00分00秒


和紙のイメージとは違った色へ

乾くまでは本当の色は出てこないがこの鮮やかな色の出方は今までとは違う
blue gradetionにgoldをアクセントにして

この色を作るのにはある程度の量を用意しないことには本当の色が出てこない気がした

色が出なければそれまでだがうまくいくかどうかとにかくやってみる
試作としてだけでなく作品として出せるレベルにしておくこと

後は野となれ山となれ ぷっくりふくらんだ餅でも食べて

試作のために漉き場が残業もできない状態、子供たちの顔を見に体育館へ
たまにしか来ない初老コーチにはにかんでいた新入部員も後には元気な声が出てきた

暗い冬を吹き飛ばす色 

                  blue sensation
                              春の声が聞こえてきた