格子柄と光2014年11月06日 23時39分38秒


銀と白のラインが交差する乱れ格子
LEDの順光ではそれほどはっきりしないラインだが

光の方向で見えるラインが違う面白い紙

曲格子、微妙に揺らぐ楮の線による格子柄
これも横から光を当てることで立体感が出る

光によって表情を大きく変える格子柄

昨日に引き続き今夜も輝く月
雲一つない夜空、月あかりが照らす和紙の里


手の充電2014年11月07日 23時10分23秒


試作や日常の製作に明け暮れながらその時を待っている手

とりあえず厚みなどを確認できるものをという注文
ここまでやらなくてもいいのだが手が止まらない

小判ながら製作時間たった40分ほど
手の充電は完了しているようだ

長野のトロロアオイの仕入れ先からいただいたリンゴ、毎年の楽しみ
今日から一日一個で医者不要

身体の充電もしておかないとね
秋の恵み、心の恵み

                 かみの恵み


原点回帰2014年11月08日 19時40分26秒


ただ作品を作るだけでこんなに苦しんだ一日はなかった

やろうとする自分を否定する自分、どこかに逃げ道はないかと探している自分、改めて自分の弱さを見直す時間だった

知らず知らずのうちに作れるというおごりから批評家になってしまったようだ

ものを受け入れること、拒絶する批評は作る気持ちを止めてしまう

ものつくりは批評家であってはならない

昨日製作した試作が出来上がる

迷わない手の動きは見ていて安心

乾く前の状態がこれ

乾くとこのように印象ががらりと変わるので出来上がりまでは安心はできない

今日は「紙展」としての作品製作、今回ほど迷いに迷ったことはない

結局は原点回帰、当時の作品と今の自分を融合させた作品に落ち着いた

手法は変わっても紙に向かう気持ちは当時と同じ
紙漉きの基本すらろくに知らないまま、手探りで作品制作

とにかくやってみたいの一心で紙と向かっていた自分を思い出す

できることよりやりたいという気持ちが上回っていたころ、今の自分はどうだろう

今日の芸術はうまくあってはいけない
きれいであってはいけない
ここちよくてはならない

岡本太郎の言葉を思い出す

原点と現在2014年11月09日 18時03分37秒


昨日の続きを朝から丸一日、じっくり時間をかけて漉き上げた

アンモナイトは20年以上前からのアイテム、ここから作品として一歩を踏み出した

未晒しの楮と白い飛龍、同じ画面に漉いたのは初めて

ランダムに並ぶ楮、飛龍が寄り添ったりかぶったり

楮でつなぐことは2度目の紙展への出品で発表
は1枚の紙としてどこまで大きくできるかが一番のテーマだったような覚えがある

現代美術が何かというよりも、とにかく作りたい気持ちが手を動かしていた

                 漉くから作るかみ

                          楮でつながった原点~現在~未来

時を待つ紙2014年11月10日 22時06分31秒

3年前の洪水時、車庫の奥に保管していた襖は泥水でこのとおり

私の知らない多くの記憶も貼り込まれている下地の紙


いろんなことを受け入れつつそれでも少しずつ前に進む

役目を終えた紙に強さは残っていないものの

貼りかえるたびに時代を再確認させてくれる





一歩踏み出したmonoシリーズ、ガウディのモザイクのような紙

記憶の家にどんな空気を運んでくれるのだろう

これからの紙、自分を見詰める時間をくれた作品

分厚い紙、少しずつ水分が抜けて白さが出てきた

まだ完全に乾くにはずいぶん時間がかかりそうだがぷっくりと水分を含んで丸みを帯びたフォルムから徐々にごつごつとした力強い本来の姿になってゆく
                 
 
                その時を待つかみ
和紙組合と和紙文化研究会の関連イベントでの企画展とはいえ10年ぶりの紙展
今立現代美術紙展2014
 11月21日(金)~27日(木)10:00~17:00(最終日は15:00まで)
 越前市いまだて芸術館