私の生き方2013年01月13日 22時53分54秒

冬の和紙の里、早朝はまだ暗い

この奥にある集会所でこの地区の総会が開かれる
一年の事業報告、役員人事など通常はすんなりと決まっていた。

問題は今年の区長に私が選出されたこと

区民の投票で決まるものなので快くお引き受けするのが決まり。

しかし私の状況はそれを許せるものではない。

不況の中もがき続け10年以上、15人を数えた従業員も10人に、それでも苦しい状況。

襖の技術を落とさないように在庫を覚悟の生産、それを補てんする仕事となってしまった特注品の生産は実質私一人

そこに最初の洪水、何とか最悪の状態までは逃れたものの破損した施設、そして原料の痛手はあとから効いてきた

それでも一人残業などでなんとか軌道にと思っていたところに「リーマンショック」意外なことに自分の仕事はこういう世界とつながっていた

従業員は7人に、襖の売り上げは1割までに落ち、仕事を休日に回し東京など展示会での営業・販売

そこに震災不況…従業員は定年を迎えた2人を嘱託として実質5人に

さらに在庫の調整のため雇用調整補助金を申請、金曜日を休業日に

当然私はその休業日や休日も自分の仕事がある限りひとり製作する日々

そこに2度目の洪水…工場は泥に埋まり、在庫品などにまたも被害

なんとかこれも乗り越えるために休日作業の合間、新製品や展示会の企画などを練る

人の支えで暮らしてこれたことに感謝、できることは精一杯させていただいているつもり

しかし和紙の担い手である工場従業員はもちろん、家族を守ってはじめてできる地域の仕事

多くの方にご迷惑をかけるのも覚悟の辞退

これが自分の生き方

出来る時を待つ