遠い背中 ― 2015年03月17日 20時23分19秒
快晴の和紙の里、岩野市兵衛さんの工場へ
越前の心を見せていただく
今日は梶という日本古来の紙の原料を使った紙を漉く
美しい紙料、ここまできれいにするためにどれだけの苦労があっただろう
漉き音が響く工場
荒々しい水音を一切させない漉き作業、これが越前和紙の音
紙を漉く日は1週間に2日だけ、この日は朝5時半から
1枚の重みが違う
朝日が照らす漉き場
静かな貼り場は板を動かす音だけ
楮の選別、煮塾、塵より(チリの除去)ここまでつないできたからこそ
手際よい作業にも集中して
工場に戻り今日も自分の紙を漉く
楮一本にも心を込めて
遠い彼方にかすかに見える背中、まだまだ紙を極める入り口にさえたどり着けない
それでも一歩ずつ、紙を漉く日々がある限りどんなに遠くにあってもその背中は見える
かみと生きる
もう一度自分の心に刻み込む
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