雁皮の雲肌紙 ― 2015年03月30日 20時13分51秒
神戸から帰宅した私を待っていた薪ストーブの灰
留守中に今シーズンの分を持ってきてくれたようだ
これを見たとたん、気になるのはこの前漉いた木灰煮の雁皮紙
夕食後、自然に工場へと足が向く
貼り場(乾燥場)で出来上がった紙を見る。水の流れがそのまま出ている見事な雲肌
サラゴという輸入雁皮ではあるもののこれはまさしく雁皮ならではの光沢
これほどの光沢の雲肌は楮では到底無理だろう
苛性ソーダで煮た雁皮紙もやってはみたがここまでではなかった
おそらく木灰煮であればこその風合いだと思う
きれいに塵を取り繊維も十分細かくなったと思ったがまだまだだったようだ
この辺りが雁皮の難しいところ、でもそれ以上の魅力にあふれている
雁皮を使った鳥の子紙は紙王と呼ばれ、楮による奉書と並ぶ越前の一つの頂点
実は本来の鳥の子紙は雲肌ではないのでこの光沢はない。
でも私にはこの雲肌に魅力を感じている
まだ国産雁皮を手にしたことはないがどんな紙になるのか
かみの道
まだまだその入り口、終点は遠くて見えなくても行く道は見えてきた気がする
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