仕上げ2016年03月03日 00時00分00秒


乾くと表情が一変する紙、だからこそ仕上げ作業は漉く以上に重要



すだれ状の紙が乾いてきた

漉いているときはこのように楮をぎっしり詰めて並べていても

乾くとこの通り、水分を含んだ楮はかなり膨張していることを想定して漉いている

手前の端の仕上げも同じ長さに並べるのでなくあえて微妙に乱すのも味となる
ひとつひとつの心配りが仕上がりに出る

今日も次の紙に 色を使った格子柄
単純に色を交互に並べるだけではなく一本の線に2種類3種類と混ぜ込む

その手法は花柄にも
濡れているときは鮮やかに見えても乾くと色の彩度は若干落ちて和紙本来の色となる

どのように仕上がるかは一晩待ってから

消し忘れた塵取り場の灯り 毎日ここで一日作業する職人がいる
 ゴミひとつでダメになることもあるから楮の裏の裏まで手をかけて

仕上げは人の手の積み重ねを形にする作業 

                  かみ重ね

                                    心をこめて