BIWAKOビエンナーレ再び~滋賀のクラフト12014年10月26日 20時27分25秒


先週に引き続きBIWAKOビエンナーレ、まずはロープウェーで八幡山に

険しい山の頂上からさらに歩く


琵琶湖を一望

山門に到着、何やら並んでいるぞ

耳なしウサギがお出迎え

ちょっと悲しげな眼

耳無し芳一をウサギに、全身には”No nukes”の文字
ウサギの目には何が写っているんだろう

本堂に到着
参拝を済ませ奥に


険しい山の頂上とは思えない立派な寺院建築

奥座敷に作品


作品以上の力を感じる菩薩像

寺を出て展望台に


窓一面にメッセージ

明るい太陽のもと、肉体は空を目指す

山から下りると喉はカラカラ。ちょっと一息、和菓子の老舗店によるカフェ

古い建物をうまく生かしている

よく見ると新しいLEDランプ

店を一歩出るとのんびりした水の街、すっかり近江八幡に魅了されている
そして多くの作家の名前が並ぶ会場に


BIWAKOビエンナーレ再び~滋賀のクラフト22014年10月26日 23時54分08秒


川のほとりにある受付

一歩入った途端、空気が変わる

中庭を囲むように

天井や床の間にも作品が並ぶ

かと思えば、座敷をそのままに

畳のヘリまで気になりだした

木漏れ日がアクセント

きれいな苔

繭玉障子

映り込む影

部屋が額縁












古い襖


言葉を無くす

BIWAKOビエンナーレ再び~滋賀のクラフト 32014年10月27日 00時00分00秒


ビエンナーレの合間に気になる店に

センスを感じさせるランプが並んでいた

参加作家の方に会場を案内してもらった

作品ではない土間にも目が留まる
建物の歴史の跡




黒い畳に並ぶ作品群


急な古民家の階段を登るとそこにも部屋一面に作品が

物置は最高の展示場所

屋根裏部屋の空間も
 
 
これから先、美術館の展示がつまらなく見えてしまうような気がしてきた
 

建物そのものが作品

これでも十分存在感はあるが、遠目で見ると気付かなくても

近寄るとちょっとずつ手が加えてあるのがわかる

中は居心地のよさそうなカフェ

作品が会場になじんでいる

緑の額縁

懐かしいポン菓子
BIWAKOビエンナーレと生活感のある街を十分楽しんでもう一つの目的の場所に

雑誌の表紙を飾っていた場所を目指して東近江市へ

静かな公園の中にそこはあった

ひっそりと営業しているカフェ

まさに雑誌の画像の通り

ゆったりとコーヒー

置かれているものすべてにオーナーの気持ちが届いていて雰囲気がある

もう少しボーっとしていたいなあ

今度はこの席で
 
オーナーとの話に木版で襖を摺る作家がBIWAKOビエンナーレに参加していることを聞いた

これは会ってみないと、ということで作家の工房に
 
 
若い夫婦とかわいいお子さん、古い家を楽しんで暮らしている

何かいい仕事ができそうな気がして、見本の紙を送ることにした

途中見つけた濁りワインの看板が気になって…

結局買ったのはおいしそうなパン
美味しい匂いの車

とちゅうのSAで一息、休日の夕方はたくさんの人
先週に引き続いての滋賀、まだまだいろんなところがありそう

試作の日2014年10月28日 22時15分25秒


指定された試作を厚みを変えて3点、本当はそれだけ製作すればいいのだけれど

どうしても作りたくなることがある

落水のベースに波模様、全く指定とは違った紙

さらにもう一枚、手が止まらなくなる

言われるがまま製作していることへの不安、自己確認のための紙

そして次の試作、落水柄。
手の動きは同じでもその順序を変えることでも変わる紙

納期に追われる日々から一転、今度は試作の毎日

一度漉いた紙に納得がいかずもう一度

混ぜ込む銀砂子の量を増やし、唐草の先まで気を配って漉き直し
誰もわからない自分のこだわり

出来上がりが楽しみKARAKUSA-ROSE


記憶の家2014年10月29日 21時19分48秒


快晴の空のもと、シートが張られた地蔵堂の奥に建つ古い家
もともと紙を漉く工場だった建物を改造して二階建ての住居

その後紙漉き職人だった主の家族が転居し、この家を父が買った

そして紙漉き職人だった叔母の家族が住んでいた。

3年前に叔母が亡くなり、同居していた従妹も移転し現在は空き家となる

築50年を超え、工場だった母屋はしっかりしているものの、増築した手前の建物の傷みが激しくなってきた 
そのままだと危険なため母屋を残して取り壊すことにした

我が家ほど古い家ではないが、今ではこういう木造建築は珍しくなった

まさに昭和そのものの木造の玄関

漉き場だった母屋の床下はしっかりしたコンクリート
高台にあるので湿気も少なく年月の割には痛みが少ない床板

2階は子供部屋に改装されていた
きしむ階段もにぎやかだった昔を語るようだ

残っていた古い襖紙は手漉きの紙
色はすっかり抜けているが雲肌はそのまま残っている

魅力的なコンセント
何とか直して使えないかな

取り壊し終了し残った母屋だけの家、敷地内にはネリ溜めの跡や今でも使える井戸もある
工場だったころの佇まい、紙を漉く音が聞こえてきそうだ

窓から山側を望めば虚空蔵菩薩堂
敷地横には地蔵堂、慈愛の気に囲まれた居間

これから外壁を直してまた新しい歴史を
それまでの板貼りの壁にして出来る限り元の姿に

紙の工場から紙漉き職人だった家族に…いろんな記憶の詰まった家

                 かみの記憶

                         また一歩、新しい記憶を作り出す